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揺らめく炎
舞い散る雪
覚えていたのはそれだけ。
だけど、もうひとつ――――
「……ん」
陽光が目蓋を通して頭を揺り動かし、ゆっくりと意識が覚醒する。
新雪が輝く眩しい朝。
少女は一人、雪原で目を覚ました。
「……うー?」
呟きながら身を起こす。
背中から滑り落ちる雪の量が、長い時間そうしていたのだと告げていた。
「むー……」
首をすくめて犬のように振り、頭に積もった雪も払い落とす。
足まで届く雪色の髪と、
「……?」
墨を溶かしたような、漆黒の髪が目に入った。
「……んー?」
雪色の髪を引っ張ってみる。
痛い。
墨色の髪を引っ張ってみる。
やっぱり痛い。
――――どうやらどちらも自分のものらしい。
強く引っ張りすぎたせいで痛む頭皮を気にしながら少女は立ち上がり、
「……?」
自分が何故ここにいるのかを考え、
「……………………??」
自分がこれからどうするかを考え、
「……………………………………………………………………………………???」